目の痛みを訴える患者さんの中にはホンのチョットした不注意で目に何か物が入り傷をつけてしまう場合があります。このチョットした不注意で痛い目にあう前に日常生活での注意を2,3促したいと思います。 |
(1)点眼誤用事故 |
これは目薬をさすつもりが、ついうっかりして他のものを間違って点眼した場合です。
例えば 口臭除去剤 心臓の丸薬 水虫の薬などは容器がすべて同じような形や大きさそして感触をしています。そのうえ、目薬や水虫の薬などは同じ薬箱にかたづけます。
暗い所で、ましてや視力の悪い人であれば間違えても不思議ありません。
間違って水虫の薬を点眼すると痛みのため飛び上がるほどです。
軟膏のチューブについても目薬と同じように眼科用も他科用も区別がつきません。当然 濃度も効能も違います。また 目薬も軟膏も使えば汚れます。ラベルに書いてある有効期限内であれば使っても良いというわけではありません。 |
このように間違って点眼しないためには日頃から・・・・ |
1. |
目薬と間違え易いものは一緒にしない。(救急箱などに) |
2. |
夜中や暗い所では点眼しない。 |
そして特に重要なのは |
3. |
これは目薬であるということを確認することが必要です。 |
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(2)日常生活において不意に起こる事故 |
家庭内で日常使っているものの中には酸やアルカリが形を変えていろいろあります。
これが1滴 目に入るだけで大変な目にあいます。 |
例えば・・・ |
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白髪染めが入ると目のかすみや痛みが出ます。
これはアルカリ性のものが多いので最後のすすぎ洗いの時でも絶対に目を開けないで下さい。 |
A
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カビ取り剤・漂白剤 これも強いアルカリ性です。
その他にもいろいろあります。例えばトイレ用洗剤(酸性、中性、アルカリ性) 換気扇用洗剤(弱〜強アルカリ性)パイプクリーナー(強アルカリ性、弱酸性) バッテリー液(希硫酸)メガネクリーナー(エタノール)・・・・。 |
B |
今はやりのガーデニングや畑仕事中に除草剤や殺虫剤が目に飛んだり
汚れた手でこすったりすると目に強い傷をつけます。 |
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これまで 間違えて点眼したり 不意に目に何かが入った場合を紹介しましたが
『目に何が入っても先ず水道水を流しながら20分間位十分洗うこと』
その後 必ず眼科を受診してください。 |
(3)目に入る物は液状の物だけではない |
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運動場のライン引き粉は消石灰(水酸化カルシュウム)でアルカリ性です。
子供達が手につけて遊んでいます。
当然、目に入れば傷をつけます。 |
A |
子供達がプールでの水泳後に目の痛みやかすみを訴えることがあります。
これは消毒作用をする活性の塩素物質によるものです。
水泳後は必ず水道水で目を洗いましょう。 |
B |
粒子の入ったスクラブ石鹸で洗顔する時には絶対に目を開けないで下さい。
粒子の一粒がまぶたの裏にくっつくとクロ目に傷がつき コロツキが出ます。 |
C |
紫外線による障害。これはスキーなどで起こる雪焼けや電気溶接により
目に傷をつけるものです。また 最近の若い子達が使う日焼けマシーンでも同様なことが起こります。保護眼鏡が必要です。 |
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まだこの他にも身のまわりには思いがけない危険がひそんでいます。
今一度注意を心がけ 少しでも不安を覚えたら眼科医にご相談下さい。 |